オートチューンで歌声を補正する方法 — 自然なボーカルから伴奏付きの曲まで

カバー曲を録り終え、タイミングも感情表現もいいと感じているのに、サビで伸ばした音が少し低く、別のフレーズの終わりでは音程が上ずっている。Auto-Tuneなどのピッチ補正ツールは、こうした録音の音程を調整するのに役立ちます。補正後は元の録音と聴き比べて、その調整を採用するかどうか判断できます。
仕上がりは、元の歌い方をどの程度残したいかによって変わります。軽めの補正なら、不安定な音程を狙った音に近づけられます。補正を速く、強くすると音と音の切り替わりが目立つようになり、電子的なボーカルエフェクトになります。
録音済みの音源があれば、<a href="/autotune-online">Lacunaのオンラインオートチューン</a>で、ボーカル単体でも伴奏付きの曲でも処理できます。このガイドでは、音源選びから処理、仕上がりの試聴、設定の調整まで順に説明します。
音源を選ぶ:ボーカル単体か、伴奏付きの曲か
ピッチ補正では、歌われている音を特定する必要があります。ボーカルだけのトラックであれば処理しやすくなります。すでにドラム、ベース、コードと混ざっている場合は、まず歌声を分離する必要があります。
ツールを開いたら、ファイルに合う入力タイプを選びます。
- ボーカル単体: ドライボーカルモードを選びます。伴奏のない歌声の録音や、すでに書き出してあるボーカルトラックに適しています。
- 伴奏付きの曲: フルソングモードを選びます。Lacunaがボーカルと伴奏を分離し、歌声の音程を補正してから、伴奏とミックスし直して出力します。
たとえば、スマートフォンにあるのが伴奏とミックス済みのカバー音源だけなら、フルソングモードを選ぶことで、自分でトラックを分離する手間を省けます。ボーカル単体と曲全体の両方がある場合は、ボーカル単体から始めると分離の工程を省けます。
フルソングモードの仕上がりは、元の音源にも左右されます。複数人が同時に歌っている場合や、伴奏の音が多い場合、リバーブが強い場合は、分離したボーカルにほかの音が残ることがあります。補正後は、伴奏と合わせて聴いて確認してください。
自然な補正と電子的なエフェクトを選び分ける
自然なピッチ補正では、音を滑らかにつなぐ歌い方やビブラート、フレーズの語尾の変化を残しながら、外れた音程を調整します。一方、電子的なエフェクトを強く出す場合は、目標の音へ素早く移動させ、その切り替わり自体を音の表現として使います。
ピッチ補正は、どちらの仕上がりにも使えます。Antaresの<a href="https://www.antarestech.com/blog/getting-started-with-auto-tune-and-soundtrap" target="_blank" rel="noopener noreferrer">公式入門ガイド</a>でも、自然な補正とエフェクトを強調した使い方の両方を取り上げ、録音に合わせて補正速度を調整することを勧めています。
Lacunaでは、目指す仕上がりに応じて、最初に使うプリセットを選びます。
| 目指す仕上がり | 最初に試すプリセット | 聴いて確認するポイント |
|---|---|---|
| 元の音程はほぼ合っていて、不安定な音だけを少し整えたい | 軽めの仕上げ | 元の滑らかな音程変化やフレーズの語尾が残っているか |
| 歌い方の抑揚を残しながら、音程を安定させたい | ナチュラル | 伸ばした音が安定し、音と音が滑らかにつながっているか |
| 補正をもう少しはっきり効かせ、歌声を目標の音に近づけたい | ポップボーカル | 速いフレーズが明瞭に聴こえ、補正の強さが合っているか |
| 音程が急に切り替わる、はっきりとした電子的な歌声にしたい | T-Painなどの強い補正をかけるプリセット | 音の切り替わりが、求めるリズムや質感を生んでいるか |
カバー曲やアカペラの録音に初めてかけるなら、「ナチュラル」か「軽めの仕上げ」を試してみてください。プリセットはあくまで調整の出発点です。最終的にどのバージョンを使うかは、曲の中でどう聴こえるかで決めます。
キーによって、歌声の補正先となる音が決まる
プリセットを選んだら、曲のキーを確認します。キーは、ツールが歌声をどの音に補正できるかを決める設定です。たとえば、CメジャーとCマイナーでは、含まれる音が完全には一致しません。
キーが分かっている場合は、対応するルート音とスケールを選びます。分からない場合は自動検出から始め、補正後のメロディーが想定どおりに聴こえるか確認してください。伴奏を移調している場合は、元のキーではなく、現在のキーを使います。
キーが正しくても、ツールがすべてのフレーズで「本来歌いたかった音」を把握できるわけではありません。 一つのスケールには、候補となる音が複数含まれています。音程が大きく外れていると、同じスケール内の別の音へ引き寄せられることがあります。フレーズが不自然に聴こえたら、まずキーを確認し、そのうえで補正の強さを下げることを検討してください。
選択肢が多いからといって、すべてのスケールを試す必要はありません。最初の仕上がりを確認するときは、いくつもの設定を同時に変えるより、曲の現在のキーを確認するほうが問題を判断しやすくなります。
自然に仕上げるために、三つの設定を聴いて調整する
プリセットには、各設定の組み合わせがあらかじめ用意されています。聴いていて調整したい点があれば、次の三つの項目から確認します。
補正の強さは、元の音程を目標の音程へどの程度近づけるかを決めます。値を上げるほど、補正が強くかかります。元の録音を少し整えるだけでよければ、強さを下げることで、細かな音程の変化をより多く残せます。
補正速度は、目標の音に到達するまでの速さを決めます。画面上の単位はミリ秒で、値が小さいほど補正が速くなります。速すぎると、次の音へ滑らかに移る部分が、急な音程の切り替わりになることがあります。Antaresの<a href="https://help.antarestech.com/hc/en-us/articles/41076455881364-How-can-I-get-that-classic-Auto-Tune-effect" target="_blank" rel="noopener noreferrer">クラシックなAuto-Tuneエフェクトの解説</a>でも、はっきりとした電子的な音を作るうえで、非常に速い補正が重要な設定として挙げられています。
ビブラートの保持は、歌い手のビブラートをどの程度残すかを決めます。伸ばした音にある規則的な音程の揺れは、歌唱表現の一部であることがあります。自然な補正を目指すなら、その揺れが平坦になりすぎていないかを聴いて確認します。
Lacunaの現行プリセットから三つを取り上げると、各設定の組み合わせは次のようになっています。
| プリセット | 補正の強さ | 補正速度 | ビブラートの保持 |
|---|---|---|---|
| 軽めの仕上げ | 45% | 40 ms | 100% |
| ナチュラル | 70% | 25 ms | 90% |
| ポップボーカル | 85% | 15 ms | 60% |
これらは、このツールに用意されているプリセットの値です。さりげなく整える補正から、よりはっきり効かせる補正への変化を示すもので、どの録音にも当てはまる固定の正解ではありません。調整するときは一度に一つの設定だけを変え、同じフレーズをもう一度聴いてください。
同じフレーズを聴き比べて、補正が役立ったか確かめる
入力タイプ、プリセット、キーを選んだら、出力形式を指定して処理を開始します。完了後は結果画面で元の音源と補正後の音源を試聴し、同じ再生位置で切り替えて聴き比べられます。
比較するときは、次の三つの部分を順番に聴きます。
- 音程が最も不安定だったフレーズ: 高すぎた音や低すぎた音は改善しましたか。メロディーの一部が別の音へ引き寄せられていませんか。
- 滑らかにつなぐ音と、フレーズ終わりのロングトーン: 次の音へ自然につながっていますか。ビブラートや語尾の表情は残っていますか。
- 曲全体の中での一節: ボーカルは伴奏になじんでいますか。曲を分離してミックスし直した場合、目立つノイズや不自然な変化が生じていませんか。
ピッチカーブを見ると、どこに調整が加わったかを確認しやすくなります。ただし、最終的な判断は耳で行ってください。線はまっすぐになっていても、残したかった細かな表現が失われているなら、強さを下げる、補正を遅くする、または「軽めの仕上げ」に切り替えます。
適した仕上がりは、音楽によっても変わります。バラードのカバーなら、滑らかな音程変化や息の混じる声を残すことが効果的な場合があります。電子的なボーカルでは、音程がはっきり跳ぶこと自体が、求めているエフェクトかもしれません。
始める前によくある質問
スマートフォンで録音した音源も使えますか?
MP3、WAV、FLAC、AAC/M4A、OGGファイルをアップロードできます。また、ページ上でマイクを使って録音することもできます。アップロードする元ファイルは、現在、最大50 MB、長さは最大10分まで対応しています。ピッチ補正は音源を送信した後に行われます。録音機能では、歌いながら補正後の声を聴くことはできません。
処理に料金はかかりますか?
音源のアップロードと処理にはログインが必要です。アップロードではクレジットを消費せず、処理を開始した時点で差し引かれます。現在、処理ごとに必要なクレジットは、ボーカル単体で15クレジット、伴奏付きの曲で30クレジットです。無料プランのアカウントでは、MP3 320 kbpsで出力できます。WAVの16-bitおよび24-bit出力には、BASIC以上のプランが必要です。WAV出力は消費クレジットも2倍になります。最新の詳細はページで確認してください。
ピッチ補正で直せる録音の問題は何ですか?
主な役割は音程の調整です。歌うテンポが速すぎる、遅すぎる、言葉の発音が不明瞭といった問題には、別途対処する必要があります。音程を補正しても、それらが自動的に解消されるわけではありません。聴きながら問題を見極めると、次に何を変えるべきか判断しやすくなります。
まずは、よく聴き慣れた録音から始めてみてください。<a href="/autotune-online">Lacunaのオンラインオートチューン</a>で「ナチュラル」か「軽めの仕上げ」を選んで処理し、同じフレーズを元の音源と聴き比べます。最初に調整が役立ったかを判断し、その後で、さらに強い補正が必要かどうかを考えてください。